中学生の不登校は、親にとって突然の出来事に感じられます。昨日まで普通に学校へ行っていた子が、急に「行きたくない」と言い出す。その背景には、友人関係・学業ストレス・心身の不調・学校環境の変化など、実にさまざまな要因が複雑に重なっていることが少なくありません。
そして重要なのは、不登校のきっかけは子ども自身であっても、「親の対応」で状況が大きく改善も悪化もするという点です。
本記事では、心理・発達の専門家が実際に用いる考え方をベースにしながら、
「不登校の中学生に、親はどのように向き合うべきか」
を、理由別・タイミング別にわかりやすく解説します。
迷った時に頼れる“地図”として使えるよう、
・最初の3日間でやるべきこと
・理由別の対応
・やってはいけないNG行動
・家庭環境の整え方
・学校との連携方法
・次の一歩の作り方
まで、1つずつ丁寧にまとめました。
中学生が不登校になる時、親はまず何をすべきか【結論】
最初の3日でやるべき「3つの初動」
不登校が始まった直後の親の対応は、今後の流れに大きく影響します。最初の3日間で重要なのは、次の3つだけです。
① 否定しない・責めない・無理に行かせない
子どもが「行けない」と感じるとき、その背景にはすでに限界に近いストレスが潜んでいます。ここで無理に登校させようとすると、心の防衛反応が強まり、次のステップに後戻りできなくなることがあります。
② まずは休ませて、心と体を安全に保つ
欠席しても問題ありません。特に中学生は「休んではいけない」という自己圧力が強い時期です。「休んでいいよ」と親が言えるだけで、子どもの緊張が大きく緩むことがあります。
③ 状況把握は“聞き出す”のではなく“待つ”
不登校初期は、子ども自身が何がつらいのか整理できていないことが多いです。「何が嫌なの?」「いじめ?」「勉強?」と詰めるのは逆効果。
まずは「話したくなったら言ってね」とだけ伝え、安心感を優先していきます。
やってはいけないNG対応(押す・責める・比較する)
不登校を長期化させる行動には共通点があります。それが、**「押す」「責める」「比較する」**の3つです。
押す(無理に学校へ行かせようとする)
押す(無理に学校へ行かせようとする)
「今日は行けるよね?」「せめて午後からでも」
これらは善意から出る言葉ですが、子どもにとっては「理解してもらえない」という絶望につながります。回復は“安心”から始まるため、押すほど逆効果です。
責める(怠け扱い・努力不足と言う)
「甘えてるだけでしょ」「みんな頑張ってるよ」
こうした言葉は、不登校の根本を見失います。不登校は“怠け”ではなく、“SOS”のサインです。
比較する(兄弟・友達と比べる)
「〇〇君は頑張ってるよ」
比較は自尊心の破壊につながり、さらに動けなくなります。
親が悪いわけではありません。
ただ、この3つを避けるだけで、改善スピードは驚くほど変わります。
中学生が不登校になる主な理由と、親が取るべき対応
理由① 学校・友人関係のストレス
思春期は人間関係が複雑化し、微妙な距離感やちょっとした言葉が大きな負担になります。友人関係のこじれ、グループの変化、仲間外れ、陰口などは、大人が思う以上にダメージが大きいものです。
理由② 勉強・成績プレッシャー
中学生は学習内容が一気に難しくなり、テストや順位が強いプレッシャーになります。「行ってもついていけない」という不安が不登校の引き金になることは非常に多いです。
理由③ 心と体のコンディション不調
朝起きられない・頭痛・腹痛・倦怠感など、身体症状が出るケースは多いです。特に自律神経の乱れは思春期に起こりやすく、本人の意思とは関係なく体が動かなくなります。
理由④ 親子関係のすれ違い
親が悪いわけではなく、成長による“距離の取り方の変化”が原因の場合も多いです。
子どもが自立しようとしているのに、親は心配するあまり管理を強めてしまい、衝突が起こるケースです。
不登校中の中学生への「してはいけない親の行動」
言葉・行動のNG例とその理由
NG対応には以下があります。
「いい加減にしなさい」 「甘えてるだけでしょ」 「このままだと将来どうするの」 「お父さん(お母さん)も大変なんだよ」
これらはすべて子どもの自己肯定感を下げ、状況を悪化させます。
不登校の子はすでに「自分はダメだ」という思考に陥っていることが多く、追い詰める言葉は逆効果です。
親の不安が子どもに伝わるメカニズム
親が焦ったり不安になったりすると、子どもは敏感に感じ取ります。
心理学では「情動感染」と呼ばれ、特に親子間で起こりやすい現象です。
親が落ち着いているだけで、子どもの心も落ち着き、登校や次の一歩への意欲が自然に回復します。
不登校の中学生が安心して過ごせる環境づくり
家庭内で気をつけたい3つのポイント
① 子どもが否定されない空間にする
② 予定を詰めすぎず、回復に合わせたペース配分を
③ 家族内で不登校について責める雰囲気をつくらない
家庭が“安全基地”になると、外に出る力が自然と湧いてきます。
生活リズム・ゲーム・スマホとの上手な付き合い方
ゲーム・スマホは完全禁止よりも、
「ルールを一緒に決める」
ことが効果的です。
おすすめは、
・起床・食事・就寝だけはゆるく維持
・ゲームは“現実逃避”ではなく“心の回復ツール”と捉える
・動画視聴は「時間」ではなく「内容」でコントロール
心が落ち着けば自然と使用時間は減っていきます。
学校との連携はどう進める?担任・スクールカウンセラーの活用法
学校側に伝えておくべき情報
・体調の状態
・家庭での様子
・無理な登校刺激はしないでほしいこと
・子どもが不安に感じている部分
これらを共有することで、学校側も適切に支援できます。
相談すると改善しやすいケース
- 友人関係で悩みを抱えている
- 勉強の遅れが不安
- 学校の雰囲気に合わない
- 登校刺激で親子が疲弊している
スクールカウンセラーは「子どもの代弁者」となり、負担を軽減してくれます。
Kimochi

「Kimochi」は、公認心理師のみがカウンセリングを担当する、安心・信頼のオンラインカウンセリングサービスです。
恋愛、仕事、人間関係、家庭の悩みなど、年齢とともに変化する心の課題に寄り添い、気軽に相談できる場として、多くの方に支持されています。
忙しくても自宅で受けられる ビデオ通話・チャット相談 など、ライフスタイルに合わせた相談形式を用意。
「誰にも話せない悩みを安心して打ち明けたい」「専門家の視点からアドバイスがほしい」という方に、
手軽に利用できる心のケアツールです。
不登校からの「次の一歩」をどう作るか
登校刺激の正しいタイミング
登校は“ゴール”ではなく“選択肢のひとつ”です。
回復段階によって、
①休息期 → ②チャージ期 → ③活動期
と進みます。
意欲が自然に上がった時がベストタイミング。
親が押すより「子どもが自分で動きたくなる」ことを優先します。
学校復帰だけが答えではない選択肢
・別室登校
・保健室登校
・フリースクール
・オンライン学習
・通信制・サポート校
現代は多様な学びが用意されています。
“学校復帰だけ”に固執すると、親子ともに苦しくなります。
フリースクール
aini school 小・中等部

遊んで学ぶ!心が元気になる!
オンラインをベースにしたオルタナティブスクール(フリースクール)です。
フリー!フラット!オープン!を大切に、1人ひとりの特性や、自由な選択を最大限に尊重。
オンラインを超えた質の高いコミュニケーションと、
“そのままで大丈夫”と感じられる安心感のある学び場と居場所を提供します。
仲間と楽しく取り組む活動や、社会で活躍するたくさんの大人たちによる多彩な授業。
いろんな生き方があっていい、たくさんの個性があっていい、ありのままの自分で大丈夫。
多様な世界や生き方に毎日触れながら楽しく学べる、新しい時代の学校です。
クラスジャパン小中学園

クラスジャパンは2018年に開校したオンラインフリースクールです。
生徒一人ひとりに担任が伴走し、子どもが自分のペースで勉強ができるようサポート。勉強以外にもeスポーツ、プログラミング、イラストなど、得意を伸ばす部活動もある不登校生徒の新しい居場所です。
これまでに1500人以上の子どもたちをサポートしてきました。
将来の進路選択の際に不登校が不利益になることのないよう、社会的自立や参加を実現するための環境作りに取り組んでいます。
まずは初月利用料無料のトライアル入会からお試しできます。
親自身が追い詰められないためのセルフケア
親のメンタルケアと支援先
親が疲れるのは当然です。
相談先は充実しており、
・教育相談
・自治体の子ども家庭支援
・スクールカウンセラー
・心理士相談
・親の会
など、負担を分散できる場所があります。
「親が変わると子どもも変わる」は本当か?
これは“親が悪い”という意味ではありません。
正しくは
「親が落ち着くと、子どもも安心しやすい」
という心理的メカニズムです。
親が穏やかでいるだけで、回復は大きく前進します。
【FAQ】よくある質問
Q1. 中学生が不登校になったとき、親が最初にすべき対応は?
まずは「休んでいいよ」と伝え、安心させることが最優先です。不登校は怠けではなく、限界サインであることが多いため、原因追及よりも安全な環境づくりを優先します。
子どもが理由を話してくれない場合、どうすればいい?
無理に聞き出そうとせず、「話したくなったら言ってね」と伝え、日常の会話を丁寧に積み重ねます。思春期の子どもは自分でも理由が整理できていないことが多く、時間の経過で話せるようになるケースが多いです。
親が言ってはいけないNGワードは?
「甘えてる」「怠け」「早く行きなさい」「このままじゃダメ」など、責める・比較する・急かす言葉は逆効果です。自己肯定感を大きく下げ、長期化につながります。
ゲームやスマホは制限すべき?
完全制限は逆効果で、親子関係が悪化することがあります。「時間・内容を一緒に決める」「生活リズムだけは緩く維持する」など、管理ではなく“協力”の形が有効です。
学校との連携で親が伝えるべきことは?
家庭での様子、体調、子どもが不安に感じていること、無理な登校刺激は避けてほしいことを共有します。担任・スクールカウンセラーとの連携があると、負担が大幅に軽減されます。
いつ登校刺激を始めるのが正しい?
子どもの心が落ち着き、自然に「行けるかも」と感じ始めた時がベストです。親が焦って促すほど逆効果なので、回復段階(休息→チャージ→活動)に合わせて進めます。
学校復帰以外にどんな選択肢がある?
別室登校、保健室登校、フリースクール、オンライン学習、通信制など、多様な学びがあります。「学校に戻す」だけが正解ではありません。
親が疲れてしまった時は、どこに相談すればいい?
自治体の教育相談、スクールカウンセラー、子ども家庭支援センター、心理士相談、親の会など、親自身のサポート先は多数あります。親のケアが、子どもの回復にも直結します。
【まとめ】まずは子供の安心から
親がまずすべきことは、「解決」より先に、子どもを安心させることです。
不登校には必ず理由があり、それは本人にも整理できていないほど複雑な場合もあります。
そのため、正しい親の対応とは次の3つに集約されます。
① 今の状態を否定せず、「安心できる家庭」をつくること
② 子どものペースを尊重し、焦らせずに状況を整理していくこと
③ 親だけで抱えず、学校や支援機関と連携して負担を分散すること
この3つを軸にしていくと、子どもの心が落ち着き、次の一歩が自然に生まれやすくなります。



