「夜中までゲームをして、お昼過ぎに起きてくる……」 「このまま昼夜逆転が続いたら、社会復帰できなくなるのでは?」
不登校のお子さんを持つ保護者の方にとって、昼夜逆転はもっとも頭を悩ませる問題の一つかもしれません。しかし、結論からお伝えすると、不登校初期の昼夜逆転は無理に直そうとしなくて大丈夫です。
この記事では、昼夜逆転が起こる本当の理由と、回復へのステップ、そして「家から出なくても出席扱いにできる方法」について分かりやすく解説します。
不登校の昼夜逆転は「悪」ではない?回復への第一歩と捉えよう
昼夜逆転を「単なる怠け」と感じてしまうかもしれませんが、実はそうではありません。お子さんの心の中では、今まさに「修復作業」が行われています。
なぜ昼夜逆転するのか?心のエネルギーと休息の関係
不登校になるお子さんは、学校という場所で心身のエネルギーを使い果たしています。
心のガソリンが切れた状態:何もする気力が起きず、ただ横になっているだけで精一杯。
「動けない」を守るための睡眠:脳が「これ以上傷つかないように」と、活動を停止させている状態です。
「怠け」ではなく「自己防衛」|罪悪感との戦い
夜になると元気になるのは、「みんなが活動している昼間に、学校に行っていない自分」を直視しなくて済むからです。
夜は「学校に行け」と言われる心配もなく、誰とも比べられずに済む唯一の安心できる時間。昼夜逆転は、お子さんが自分自身の心を守るための「避難シェルター」なのです。
昼夜逆転が「回復期」である3つのサイン
以下の様子が見られたら、それは心がエネルギーを貯め始めている証拠です。
| 回復のサイン | 内容 |
|---|---|
| 表情が柔らかくなる | 険しい表情や暗い表情が減り、たまに笑顔が見える。 |
| 好きなことを話し始める | ゲームの内容やYouTubeの話など、自分の興味を口にする。 |
| 食事をしっかり摂る | 食べる意欲が出てくるのは、生命エネルギーが戻っている証拠。 |
まずは「今は心を休ませる大切な時期なんだ」と親御さん自身が自分に言い聞かせ、焦りのブレーキを踏んでみましょう。
なぜ起きる?不登校と昼夜逆転の主な原因
原因を客観的に知ることで、イライラや不安を軽減できます。
心理的要因:学校への不安、対人ストレス、現実逃避
学校でのトラブルや成績不振、先生との関係など、学校を思い出すだけで心臓がバクバクしてしまう子もいます。夜の静寂は、そうしたストレスから物理的に距離を置ける唯一の手段です。
身体的要因:起立性調節障害(OD)と自律神経の乱れ
「朝、どうしても起きられない」場合、根性ではなく自律神経の病気(起立性調節障害)の可能性があります。
特徴:午前中に血圧が上がらず、立ちくらみや頭痛がする。午後から夜にかけて体調が良くなる。
対応:この場合、無理に起こすと症状が悪化します。医療機関への相談も検討しましょう。
環境的要因:ゲーム・スマホ・ネット依存のメカニズム
夜はネット上の友だちが集まりやすく、承認欲求(認められたい気持ち)が満たされやすい時間帯です。現実世界で傷ついた心を、オンラインの繋がりで癒やしている側面があります。
【親の対応】逆効果になるNG行動と効果的な接し方
親御さんの焦りからくる行動が、逆に昼夜逆転を長期化させてしまうことがあります。
やってはいけないNG行動
親子関係を壊さない「距離感」の保ち方
「見守る」とは「放置」ではありません。「あなたがどんな生活リズムでも、あなたの価値は変わらない」というメッセージを、態度で示すことが重要です。
今日からできる「声かけ」テンプレート
否定をせず、現状を認める声かけを意識してみましょう。
今日は一つだけ、お子さんを否定する言葉を「そうなんだね」という共感の言葉に変えてみてください。
ゲーム・スマホとどう付き合う?禁止よりも大切な「ルール作り」
ゲームは不登校の子にとって、単なる遊びではなく「命綱」に近い役割を果たしていることがあります。
ゲームは唯一の「心の居場所」:ゲームの中では「活躍できる自分」になれます。
一方的な禁止のリスク:無理な制限は、親への不信感を強めるだけです。
昼夜逆転の改善へ!無理なくできるスモールステップ
エネルギーが少しずつ溜まってきたら、以下の順番でアプローチしてみましょう。
STEP1:寝る時間ではなく「起きる時間」を固定する
夜早く寝かそうとするのは至難の業です。まずは「何時に寝てもいいけど、12時にはリビングに来よう」など、緩い起床時間を設定します。
STEP2:光と食事で体内時計をリセット
光:起きている時間に、ベランダで5分日光を浴びる。
食事:幸せホルモンの材料になる「トリプトファン(バナナ、納豆、卵など)」を意識して摂る。
STEP3:日中の「楽しい活動」を増やす
「外に出る」という高いハードルではなく、家の中で好きな料理をする、映画を観るなど、日中に動く動機(楽しみ)を少しずつ作ります。
昼夜逆転でも「出席扱い」に!オンライン学習の活用
「生活リズムが直らないと、勉強も遅れるし、進学もできない……」
そう思っていませんか?実は、今の生活スタイルのままでも「出席扱い」にできる制度があります。
学校に行けなくても学習・出席は可能?「出席扱い制度」
文部科学省は、不登校の児童生徒が自宅でICT(パソコンやタブレット)を使って学習した場合、一定の条件を満たせば「出席」と認める方針を出しています。
オンラインフリースクールやICT教材の選択肢
すららなどのICT教材:自分のペースで進められ、多くの学校で出席扱いの実績があります。
オンラインフリースクール:夜間に交流できる場所があるスクールや、動画視聴で学べるタイプもあります。
昼夜逆転のままでも将来(進学)につなげる方法
「出席扱い」になれば、内申点の確保に繋がります。これにより、全日制高校だけでなく、通信制高校や定時制高校など、お子さんのリズムに合わせた多様な進路が選択可能になります。
お住まいの地域の学校が「ICT活用による出席扱い」に対応しているか、一度調べてみる(またはg学校に聞いてみる)ことをおすすめします。
親だけで抱え込まないで。第三者の支援を頼ろう
不登校の悩みは、家族だけで解決しようとすると行き詰まってしまいます。
無料相談・支援機関
- 教育支援センター(適応指導教室)
- 児童相談所、精神保健福祉センター
オンラインコミュニティの力
同じ悩みを持つ保護者の体験談を知るだけで、「うちだけじゃない」と心が軽くなります。
保護者自身のメンタルケア
お子さんの状態に一喜一憂せず、親御さんが自分の時間を楽しみ、笑顔でいることが、結果としてお子さんの安心感に繋がります。
まとめ
昼夜逆転は、お子さんが一生懸命に心を癒やしている最中の出来事です。「直すべき問題」と捉えるのではなく、「今はそういう時期」と受け入れ、少しずつ外部の力(ICT学習や専門機関)を借りていきましょう。
まずは一歩、情報収集から。









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