小学生の不登校は年々増え続けており、「子どもが安心して過ごせる居場所がほしい」「家で過ごしながら笑顔を取り戻してほしい」と悩む保護者は少なくありません。
学校に行けない日があっても、子どもが安心できる環境が確保されていれば、その後の回復や学習の立て直しは十分に可能です。
本記事では、不登校の小学生にとって大切な“居場所”づくりを、家庭・学校外・オンライン・地域の4つに分けて分かりやすく解説します。今日から親ができることも具体的に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
不登校の小学生に「居場所」が必要な理由
自尊感情の低下を防ぐ心理的メリット
不登校の小学生は「行けない自分はダメなんだ」と自己否定感を抱きやすく、自尊感情が大きく下がってしまうことがあります。
学校とは別に「安心していられる場所」が一つあるだけで、気持ちは大きく安定します。そこで大切なのが、子どもが評価やプレッシャーを感じずに過ごせる“心理的安全性の高い居場所”です。
学びと生活リズムを保つための環境づくり
不登校が長期化すると、朝起きる時間がバラバラになったり、学習習慣がなくなったりしがちです。家庭・学校外・オンラインなど、どこかに「通う場所」「つながる場所」があるだけで生活リズムが整いやすく、学びを再開するきっかけにもなります。
居場所の違いで子どもの回復スピードが変わる
支援機関やフリースクールを利用する子は、家庭だけで過ごす場合と比べて、他者との関わりを通じて回復が進むケースが多いと言われます。
ただし、すべての子に当てはまるわけではなく、最も重要なのは「その子が安心して過ごせるかどうか」です。
家庭でつくる“安心の居場所”｜親ができること
叱らない・急かさない家庭環境
不登校初期は心身が疲れ切っている状態が多く、家庭での安心感がなにより重要です。
「早く学校行きなさい」「勉強しないの？」といったプレッシャーは逆効果になります。
まずは安心して休める時間を確保し、気持ちが落ち着くのを待つことが最優先です。
生活リズムが崩れてしまったときの整え方
完全に整えようとする必要はありませんが、「昼夜逆転で体がしんどくなる前に、少しだけ朝に光を浴びる」「起きたら10分だけ家事を手伝う」など、小さなステップでリズムが戻ります。
無理なく続けられる範囲で習慣づけることが大切です。
ゲーム・動画時間とのバランスの取り方
ゲームや動画は一時的な安心につながりますが、長時間化すると生活リズムをさらに崩すことも。禁止するより、「午後は1時間だけ一緒に外を歩く」「朝は動画を見ない」など、ルールを子どもと一緒に作ることでバランスが取れます。
家に居場所がないと感じているときの親の接し方
「家にいても落ち着かない」と感じる子は珍しくありません。
そういう時は、“役割”を作ることが効果的です。
料理の手伝い、ペットの世話、植物の管理など、家の中で子どもが「自分の価値を感じられる時間」を作ることで、居場所意識が生まれます。
学校外の居場所｜フリースクール・適応指導教室とは
フリースクールの特徴｜メリット・デメリット
フリースクールは、学校とは異なる自由な学び方ができる場所です。スタッフのサポートが手厚く、学びや体験活動を自分のペースで進められます。一方、費用がかかる点や近くにないケースはデメリットです。
適応指導教室（教育支援センター）の仕組み
自治体が運営する公的支援で、無料で利用できる点が大きな特徴です。学習サポート・遊び・相談などがセットになっており、学校との連携も充実しています。
費用・通い方・合う子/合わない子のタイプ
フリースクールは有料、適応指導教室は基本無料。
自由度の高い環境が合う子もいれば、少し指示があった方が安心して過ごせる子もいます。
まずは”見学”で環境を比べ、子どもの反応を見るのが最も確実です。
公的支援を受ける方法と流れ
教育委員会、学校、スクールカウンセラーなどに相談すると利用方法を案内してもらえます。
利用に特別な資格は不要で、保護者の申し込みだけでスタートすることもできます。
オンラインの居場所｜家から出られない子に最適な選択肢
オンラインフリースクールの特徴
自宅にいながら交流・学びの両方に参加できます。
登校刺激が強い子、外出が難しい子には特に相性が良い選択肢です。
顔出しNGの子でも安心して参加できる仕組み
音声のみ・チャットのみで参加できるスクールもあり、コミュニケーションへの負担を最小限にできます。
段階的な参加が可能なので、他者とのつながりを少しずつ取り戻せます。
学習サポートとコミュニティ機能の比較ポイント
「学習中心」「交流中心」などサービスごとに特徴が異なるため、目的に合わせて選ぶことが重要です。子どもの興味に合う企画が多いほど、継続しやすい傾向があります。
発達特性がある子との相性
刺激の少ない環境で安心しやすい特性の子は、オンラインのほうが適応しやすい場合が多いです。反対に、直接的なコミュニケーションが必要な子は、対面型の方が力を伸ばしやすいこともあります。
地域の居場所｜放課後等デイサービス・児童館・NPO支援
放課後等デイサービスが向いている子の特徴
発達特性がある子には特に相性がよく、療育・生活支援・コミュニケーション支援など専門的なサポートを受けられます。
児童館・公民館など気軽に使える居場所
「学校以外の同年代と自然に関われる」場所としておすすめです。毎日通わなくても良いので、負担なく参加できます。
自治体の不登校支援を賢く使う方法
自治体の相談窓口、教育相談室、子ども家庭センターなどは無料で利用でき、必要に応じて専門機関につなげてくれます。
地域ボランティア・NPOとのつながり方
地域ごとに「子どもの居場所づくり」活動が広がっています。散歩・読書・料理など、家庭ではできない体験を通じて子どもの自己肯定感が高まりやすくなります。
居場所選びで失敗しないためのチェックリスト
見学で必ず確認すべき5つのポイント
①子どもの表情、②スタッフの距離感、③安全面、④子ども同士の雰囲気、⑤活動内容。この5つをチェックすることでミスマッチを防げます。
子どもが「合わない」と感じたときの対応
一度で合わないと決める必要はありませんが、子どもが強い不安を示す場合は無理に通わせないことが大切。別の選択肢を並行して探しましょう。
費用・距離・通所頻度・スタッフの専門性の見方
継続できるかどうかは親の負担とも密接に関わります。費用や距離だけでなく、スタッフの経験、子どもの反応など総合的に判断しましょう。
発達特性・人間関係のつまずきと相性の判断
過去に人間関係でつまずいた子は「少人数」「個別対応あり」などの環境が相性◎。発達特性がある場合は専門スタッフがいるかどうかも重要です。
不登校の小学生が安心して過ごせる「おすすめの居場所」
家での居場所づくり（家庭の安心基地）
まずは家庭で「ここにいていい」と感じられる環境づくりが最優先。
責めない・急かさない・休むことを認める、この3つが基本です。
学校外の居場所（フリースクール・教育支援センター）
少しでも外とのつながりを持てると、自信回復がスムーズになります。「学校ではないけど安心できる場所」があるだけで、子どもの表情が変わるケースは多くあります。
aini school 小・中等部
遊んで学ぶ！心が元気になる！
オンラインをベースにしたオルタナティブスクール（フリースクール）です。
フリー！フラット！オープン！を大切に、1人ひとりの特性や、自由な選択を最大限に尊重。
オンラインを超えた質の高いコミュニケーションと、
“そのままで大丈夫”と感じられる安心感のある学び場と居場所を提供します。
仲間と楽しく取り組む活動や、社会で活躍するたくさんの大人たちによる多彩な授業。
いろんな生き方があっていい、たくさんの個性があっていい、ありのままの自分で大丈夫。
多様な世界や生き方に毎日触れながら楽しく学べる、新しい時代の学校です。
クラスジャパン小中学園
クラスジャパンは2018年に開校したオンラインフリースクールです。
生徒一人ひとりに担任が伴走し、子どもが自分のペースで勉強ができるようサポート。勉強以外にもeスポーツ、プログラミング、イラストなど、得意を伸ばす部活動もある不登校生徒の新しい居場所です。
これまでに1500人以上の子どもたちをサポートしてきました。
将来の進路選択の際に不登校が不利益になることのないよう、社会的自立や参加を実現するための環境作りに取り組んでいます。
まずは初月利用料無料のトライアル入会からお試しできます。
オンラインの居場所（在宅でコミュニティ参加）
外出のハードルが高い子はオンラインからスタートするのがおすすめ。
コミュニケーションの練習にもつながります。
ティントル
不登校専門のオンライン家庭教師。
おすすめな理由
- 完全オンラインだから安心して自宅学習できる
- ティントルはオンライン専門の学習サービスです。不登校の子どもが抱えがちな「外出の不安」や「教室での人間関係ストレス」を避け、自宅から無理なく学習を始められます。カメラ・マイクのオン/オフも自由なので安心です。
- 個別指導で理解度に合わせて丁寧に対応
- マンツーマン指導を採用しており、担当講師が子どものペースに合わせて学習を進めます。授業中に他の生徒を気にしないで済むため、わからないところも質問しやすく、勉強の遅れがあってもじっくり取り戻せます。
- 学習と心のケアを両立するサポート
- ティントルは、学習だけでなく「感情のケア」にも力を入れています。やりたくない気持ちに寄り添いながら、まずは「少し勉強してみよう」と思えるよう支援。心理的な不安を和らげて学習につなげるサポート体制です。
- スケジュールの柔軟性
- 授業の日時は相談して決めることができ、生活リズムに合わせて継続しやすいのも特徴。昼夜逆転していても、少しずつ生活改善につながるよう調整することも可能です。
キズキ共育塾
不登校支援の専門機関が提供する個別塾
おすすめな理由
- 不登校支援の専門機関として信頼できる
- キズキ共育塾は「不登校・中退・ひきこもり支援」を専門とする塾で、10年以上の実績があります。再登校支援、高卒認定対応、進学準備など「その後」に向けた総合的なサポートも充実。
- ゼロからゆっくり勉強し直すことができる
- 基礎がわからなくても大丈夫。学校の授業についていけなくなった子でも、段階を踏んで「できた」という実感を取り戻すことができます。学び直しに特化した授業スタイルが大きな強みです。
- 安心できる「居場所」も提供
- 学習塾でありながら「行くだけで安心できる場所」として機能することが特徴。教室には同じような経験を持つ仲間がいることも多く、孤立しがちな子どもにとって心の居場所になります。
- 個別に寄り添うきめ細かな対応
- 家庭訪問や保護者向け面談も行い、一人一人の状態に合わせた柔軟な学習計画と生活支援を提供。学習面だけでなく、家庭環境やメンタル面も含めた手厚いフォローが特徴です。
地域の居場所（放デイ・NPO・自治体支援）
気軽に参加でき、親の負担も少ないのが地域の居場所の良さです。さまざまな大人と関わることで自信が戻りやすくなります。
親が心配しすぎないためのメンタルケア
焦りを感じたときの考え方
「このままで大丈夫？」という不安は誰もが感じます。しかし、不登校は“長期戦”。
焦りは子どもに伝わるため、まずは「今日は安心して過ごせたなら十分」と考えることが大切です。
「居場所がない」と思い込んでしまうときの対処法
居場所は必ずしも一つである必要はありません。
家庭・オンライン・地域など、いくつかの選択肢を持っておくことで親の心理的負担も軽減します。
専門機関（カウンセラー・スクールカウンセラー）の使い方
第三者に話すことで親が冷静になれるケースは多いです。
学校のスクールカウンセラーや自治体の相談室を遠慮なく利用しましょう。
Kimochi
「Kimochi」は、公認心理師のみがカウンセリングを担当する、安心・信頼のオンラインカウンセリングサービスです。
恋愛、仕事、人間関係、家庭の悩みなど、年齢とともに変化する心の課題に寄り添い、気軽に相談できる場として、多くの方に支持されています。
忙しくても自宅で受けられる ビデオ通話・チャット相談 など、ライフスタイルに合わせた相談形式を用意。
「誰にも話せない悩みを安心して打ち明けたい」「専門家の視点からアドバイスがほしい」という方に、
手軽に利用できる心のケアツールです。
【FAQ】よくある質問
Q1. 不登校の小学生にとって「居場所」は本当に必要ですか？
はい。子どもが安心して過ごせる場所があるだけで、自己肯定感の低下を防ぎ、生活リズムや学習習慣の再構築がしやすくなります。学校以外の居場所があることで「休んでいても大丈夫」と感じられ、回復につながるケースが多いです。
Q2. 家にいるだけでも問題ありませんか？
最初は家だけで十分な場合もあります。特に不登校初期は心身が疲れ切っていることが多く、無理に外へ出すと逆効果です。ただし、長期化すると生活リズムが崩れやすいため、家庭以外の居場所をゆっくり検討していくのがおすすめです。
Q3. フリースクールと適応指導教室はどう違いますか？
フリースクールは民間で自由度が高く、学習から体験活動まで幅広くサポートします。適応指導教室（教育支援センター）は自治体が運営し無料で利用でき、学習支援と相談支援が中心です。費用・雰囲気・子どものタイプで選びましょう。
Q4. オンラインの居場所ってどんな子に向いていますか？
登校刺激が強い子、外出が難しい子、対面が苦手な子に特に向いています。顔出し不要で、チャットのみ参加が可能なサービスも多く、コミュニケーションへの負担が小さいのが特徴です。
Q5. 発達特性がある子はどんな居場所が合いますか？
刺激が少なく安心できる環境、少人数、個別対応がある環境は相性が良い傾向があります。放課後等デイサービスは専門スタッフによる支援が受けられるため、選択肢のひとつになります。
Q6. 居場所選びで失敗しないためのポイントは？
見学時の「子どもの表情」「スタッフの距離感」「安全面」「子ども同士の雰囲気」「活動内容」の5点を必ず確認しましょう。親だけの判断ではなく、子どもの感覚も大切にすることが重要です。
Q7. 居場所に行きたくないと言われたらどうすればいい？
無理に行かせる必要はありません。不安が強い場合は、オンラインや短時間の参加など、ハードルの低い選択肢から始めるのが効果的です。子ども自身が「安心できる」と感じる場所を一緒に探しましょう。
Q8. 家庭でできる“居場所づくり”のコツはありますか？
責めない・急かさない・評価しない環境をつくることが基本です。また、子どもが役割や成功体験を持てるように、簡単な家事や趣味の時間を取り入れると安心感が育ちます。
Q9. どのタイミングで外部サービスを利用すべきですか？
生活リズムの乱れが続く、孤立感が強い、親子だけでは限界を感じ始めたときが目安です。まずは見学やオンライン相談など、負担の少ない方法から試すとスムーズです。
Q10. 親が不安でいっぱいのときはどうしたらいい？
保護者自身が支援を受けることも非常に大切です。スクールカウンセラー、自治体相談窓口、オンライン相談などを利用し、悩みを共有することで気持ちが軽くなります。
【まとめ】一番大切なのは“子どもが安心できる場所があること”
不登校の小学生にとって重要なのは、学校に戻ること以上に「安心して過ごせる居場所があるかどうか」です。家庭、学校外、オンライン、地域など、選択肢は増え続けています。
ひとつの方法だけにこだわらず、子どものペースに合わせて複数の選択肢を試すことで、回復のきっかけは必ず見つかります。子どもの表情が少しでも楽になる環境を、一緒に探していきましょう。
